カテゴリ:スタッフブログ / 投稿日付:2023/05/27 15:19
はじめに
住宅ローンの支払いを終えた場合や、不動産を売却する場合は、抵当権を抹消しなければなりません。
しかし、抵当権抹消はどのように行えばいいのか気になる方もいるでしょう。
そこで今回は、抵当権抹消の知識や、抵当権抹消の手続きについてお伝えします。
抵当権とは
金融機関がお金を貸した時、土地や建物を担保に取る権利のことです。
債務者がお金を返せなくなった場合、貸したお金を回収する手段として抵当権を付けます。
債務者が住宅ローンの返済ができなくなった時、金融機関(債権者)は抵当権を付けている不動産を売却することができます。
売却方法の基本となるのは競売です。
(競売とは一般的に、裁判所による不動産の強制的な売却のこと)
また、競売以外の手段で債務者が任意に売却し、債務を全額返済することもあります。
このように、競売以外の手段で売却する方法を任意売却と呼びますが、任意売却はあくまでも債権者と債務者の合意の上で行います。
つまり、抵当権とは、いざとなったら強制的に物件を競売にかけることができる権利ということになります。
抵当権の内容は、不動産の登記簿謄本に記載されます。
抵当権は、債務を完済すれば権利としてはなくなります。しかし、登記簿謄本の記載が自然になくなるわけではありません。
そこで、登記簿謄本から抵当権の記載内容を削除することを【抵当権の抹消】と呼びます。
抵当権を抹消するには、抵当権抹消書類が必要となります。
抵当権抹消書類は、債権者である金融機関が持っています。
債務が完済された時点で抵当権抹消書類を引渡してもらうことが可能で、抹消を実行できます。
抵当権抹消が必要となるケース
ここでは、抵当権抹消が必要となるケースについてご説明します。
抵当権抹消が必要となるのは、以下の2つのケースです。
1.所有期間中に住宅ローンを完済した場合
所有期間中に住宅ローンを完済すると、抵当権を抹消することが可能になります。
住宅ローンを完済してしまえば、金融機関は債権者ではなくなるため、抵当権は消滅するのです。
住宅ローンの完済による抵当権抹消は、基本的にはいつでも構いませんが、忘れてしまう可能性もある為、早めに行うことがおすすめです。
2.第三者に売却する場合
第三者に売却する場合では、抵当権抹消が ”必須” です。
売却の際、引渡し時の残金入金と抵当権の抹消は同時に行います。
売却によって抵当権を抹消する場合は、引渡し日に、住宅ローンを借りている金融機関の担当者が抵当権抹消書類を持参します。
入金が確認されたと同時に、金融機関の担当者はその場にいる司法書士に抵当権抹消書類を渡します。
売却では一般的に、売買代金で住宅ローン残債を一括返済しますので、売却前に抵当権を外すことはできません。
また、抵当権が残ったままの物件を購入する人はいないと言えます。
抵当権が残った物件を購入した後、仮に売主が住宅ローンを滞納してしまった場合、買主が住んでいるにもかかわらず、家が競売にかけられてしまいます。
通常、そのようなリスクを負って家を購入する人はいませんので、第三者への売却では抵当権を抹消することが条件となります。
抵当権抹消は義務ではない
では、抵当権抹消は絶対に行わなければならないのでしょうか。
この章では、抵当権抹消は義務なのかどうかについて解説いたします。
結論から言ってしまうと、抵当権抹消は義務ではありません。
抵当権の抹消を忘れた場合、懲役や罰金の対象となるかというと、そうではないのです。
ただし第三者に売却する場合は、抵当権を外さなければ売却できないため、実質的に ”義務” となっています。
義務というより、購入してもらうための「必要不可欠な条件」と言ったほうが正しいかもしれませんね。
一方で、中小企業の社長と、その社長が経営する会社との間で不動産を売買する場合などでは、会社でお金を借りる際に付けた抵当権を抹消しないまま売却することもあります。
このような場合、社長は会社の実態をよく把握しているため、抵当権が付いたままでも構わないのです。
このように、理屈上は抵当権が付いたままでも不動産を売却することが可能です。
おわりに
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